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笹川健一個展 _yellow object
SASAKAWA KENICHI solo exhibition

2011.10.08(sat)- 30(sun)
12:00-19:00 最終日17:00 木曜休館
笹川健一 
SASAKAWA Kenichi


関連データ

O_laboratory

61in3 + 1/8 (2009)
61in3 + 1/8 (2008)

ー 偶・適・会 ー
思考は材料に引っ張られる
手を加えられ、佇まいの変化する様を観察する
目線は表面を漂い、近づいていく
質感、触感、目で触れる情報
表面に内容が宿る
中身のないもの 目的、精神の抜け落ちたもの 記号の羅列
過去のコピー 反復
薄くなり、「無い」ことに近づく、密度が増す
過去へ思考を飛ばす 
ものの正しい佇まい、存在する理由を探すこと

他人が見ても理解されるかわかりませんが、これらは作りながら自覚した言葉です。しかし、これらをうまく繋げ論文めいた記述にすることは、なかなか出来ません。
考えることと作ることは同時進行で、どちらかだけを進めることは出来ないし、片方だけから出発することも出来ないような気がします。
創ることは、おぼろげな謎を解明するような行為であり、それらは断片的に目の前に現れ、あるときふと別々の景色が繋がり、少し世界を知るような気がします。故に自覚する言葉も断片的なのでは、と思います。

はっきりしていることは、材料を触り、ある哲学の可能性を見つけ、創りながら実証に向かっていく。しかしそれは物で知覚されることであり、言葉をさらに見つけなくてはならない。ということです。

白い部屋に並ぶ黄色い物体は表現とかいうものではありません。
記号的なものの羅列、目的の抜け落ちた形、表面的な視覚情報です。
見つけた誰かにとっては特別な意味が宿る、あるいは何かを発見できるもの。
何かの隠喩になりうるものです。あるいはただ単に気になるものを探すだけでもよいかもしれません。
うつわのかたちは、それらを気付かせる取っ手のようなもの、ものと人を近づけるための要素のようなものです。

日本人は、小さく緻密なものを愛で、自然のあらゆるものに神が宿ると想像することが出来る。
そのような精神性、美意識の延長線上でものを作りたいと思っています。

                       笹川健一