白いキャンバスから浮かび上がったオブジェクトは、真の姿を捉えようとした瞬間、ふっと消えてしまう。
私は、制作の途中、度々そのような感覚を覚える。
明円光の作品は、その瞬間的に表れるビジョンが、そのままの形で封じ込めているかのような印象を受けた。
そして、「画家の目」によって洞察されたオブジェクトは、白い画面に純粋な陰影を残し、今にも消えてしまいそうな儚さを漂わせている。
このイメージは「ものごとの真の姿」であろうか?あるいは「幻想」であろうか?
私とは真逆のアプローチ方法でモノの本質に迫る明円光の展覧会を是非とも御高覧いただきたい。
遠藤彰子 武蔵野美術大学教授
二紀会理事
女流画家協会委員
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白い作品ばかりな展示に「COLORS」という名前を付けました。
ミロのヴィーナスは、両腕が欠損しているからこそ、そこに素敵な両腕を想像することが出来ます。
僕はイロトリドリなものたちから「色」を奪って描きました。
そこに素敵な「COLORS」を想像してもらえればと思います。
明円 光