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carré à zurich について
高橋 律子
ギャラリー点で開催されてきたcarré展を、2月、スイスで開催することになりました。carréとは仏語で正方形、平方という意味です。普段は大規模なパネルや、彫刻などの立体作品を中心に制作している若手作家たちが、小さな15センチ角25センチ角、40センチ角のパネルの中に、自らの作品世界を作り上げます。スイスの中心都市チューリッヒにある、チューリッヒ・インシュランス・カンパニーのオフィス内ギャラリーですので限られた人を対象にしていますが、日本の若い作家のみなさんの小さな作品をヨーロッパの方々がどう受け止められるのか、たいへん興味があります。
そもそもの始まりは、わたし自身がcarré展で買い求めた小さな作品からでした。15センチ角の作品は「鑑賞」というには少しボリュームに欠けているかも知れません。ただ、自分の家の間取りをいろいろ思い描きながら作品をひとつひとつ見ていく展覧会は、いつもとは違うアートの楽しみ方があります。迷いながら選んだのは多摩美術大学大学院にまだ在籍されている樫尾聡美さんの染色の作品でした。色とりどりのタマゴのような楕円がリズミカルに配置された画面は軽やかで、キッチンに飾ることに決めました。
今年の初め、スイスに住む姉が我が家に遊びにきたとき、キッチンに飾られた小さな絵が、姉の目に留まりました。作品のよさはもちろんだけれど、キッチンの壁にちょこんと飾られた作品は、ちょっと憂鬱な毎日の家事を楽しくしてくれます。かしこまって家の主のような顔をしている重厚感のある作品もいいけれど、家のなかでもでしゃばらない小さな作品は、日々の暮らしの中でアートの楽しみを教えてくれます。姉はちょうど、日本のアートをスイスで紹介できないかと考えていた矢先でもありました。さっそくギャラリー点の金田雅さんにご相談したところ、まずはcarré展をスイスでやらせてもらうことになりました。
姉Shoko Saitoの主宰する「Kunst KanaKana」のKanaKanaは、金沢のKanaと、出身である横浜市金沢区のKanaを組み合わせた名前ですが、日本特有の文字である「仮名」の意味も込められていて、わかりやすく、暮らしのなかから日本のアートを伝えていこうと考えています。
「carré à Zurich」はKunst KanaKanaの第一弾の企画となります。この小さな海外展が金沢の若い作家の方への励みになれば、なおさら嬉しいです。海外のまったく異なる環境のなかで、作品が誰かの目にとまり、引き取られていくというのはとても素敵なことですし、アートだからなしえる言葉を超えた心のコミュニケーションです。小さな正方形に込められた思いが、この世界の誰かにつながっていく、その橋渡しができたらと思っています。
出品作家
伊藤未央 ITO Mio
伊藤幸久 ITO Yukihisa
江口綾音 EGUCHI Ayane
遠藤誠明 ENDO Tomoaki
大泉佳広 OHIZUMI Yoshihiro
大西佑治 OHNISHI Yuji
岡田朋子 OKADA Tomoko
樫尾聡美 KASHIO Satomi
菊谷達史 KIKUYA Satoshi
北本真隆 KITAMOTO Masataka
河野迪夫 KONO Michio
小林寛人 KOBAYASHI Hiroto
コフネコトモ子 KofunekoTomoko
近藤恵介 KONDO Keisuke
阪井ひとみ SAKAI Hitomi
澤田有季 SAWADA Yu-ki
庄野文平 SHONO Bunpei
鈴木良平 SUZUKI Ryouhei
高岡栄司 TAKAOKA Eishi
高田裕大 TAKATA Yudai
武田雄介 TAKEDA Yusuke
中谷未来 NAKATANI Miki
西康友 NISHI Yasutomo
西佑子 NISHI Yuko
長谷川清 HASEGAWA Kiyoshi
林亜耶子 HAYASHI Ayako
平松ちなみ HIRAMATSU Chinami
藤原絵里佳 FUJIWARA Erika
廣瀬陽子 HIROSE Yoko
松永敏秀 MATSUNAGA Toshihide
明円光 MYOEN Hikaru
村住知也 MURAZUMI Tomoya
山崎夏美 YAMAZAKI Natsumi
山室淳平 YAMAMURO Jumpei
吉川菜津乃 YOSHIKAWA Natsuno
脇谷内里絵 WAKIYACHI Rie
山塙菜未 YAMABANA Nami
石川達紘 ISHIKAWA Tatsuhiro
高橋 律子
ギャラリー点で開催されてきたcarré展を、2月、スイスで開催することになりました。carréとは仏語で正方形、平方という意味です。普段は大規模なパネルや、彫刻などの立体作品を中心に制作している若手作家たちが、小さな15センチ角25センチ角、40センチ角のパネルの中に、自らの作品世界を作り上げます。スイスの中心都市チューリッヒにある、チューリッヒ・インシュランス・カンパニーのオフィス内ギャラリーですので限られた人を対象にしていますが、日本の若い作家のみなさんの小さな作品をヨーロッパの方々がどう受け止められるのか、たいへん興味があります。
そもそもの始まりは、わたし自身がcarré展で買い求めた小さな作品からでした。15センチ角の作品は「鑑賞」というには少しボリュームに欠けているかも知れません。ただ、自分の家の間取りをいろいろ思い描きながら作品をひとつひとつ見ていく展覧会は、いつもとは違うアートの楽しみ方があります。迷いながら選んだのは多摩美術大学大学院にまだ在籍されている樫尾聡美さんの染色の作品でした。色とりどりのタマゴのような楕円がリズミカルに配置された画面は軽やかで、キッチンに飾ることに決めました。
今年の初め、スイスに住む姉が我が家に遊びにきたとき、キッチンに飾られた小さな絵が、姉の目に留まりました。作品のよさはもちろんだけれど、キッチンの壁にちょこんと飾られた作品は、ちょっと憂鬱な毎日の家事を楽しくしてくれます。かしこまって家の主のような顔をしている重厚感のある作品もいいけれど、家のなかでもでしゃばらない小さな作品は、日々の暮らしの中でアートの楽しみを教えてくれます。姉はちょうど、日本のアートをスイスで紹介できないかと考えていた矢先でもありました。さっそくギャラリー点の金田雅さんにご相談したところ、まずはcarré展をスイスでやらせてもらうことになりました。
姉Shoko Saitoの主宰する「Kunst KanaKana」のKanaKanaは、金沢のKanaと、出身である横浜市金沢区のKanaを組み合わせた名前ですが、日本特有の文字である「仮名」の意味も込められていて、わかりやすく、暮らしのなかから日本のアートを伝えていこうと考えています。
「carré à Zurich」はKunst KanaKanaの第一弾の企画となります。この小さな海外展が金沢の若い作家の方への励みになれば、なおさら嬉しいです。海外のまったく異なる環境のなかで、作品が誰かの目にとまり、引き取られていくというのはとても素敵なことですし、アートだからなしえる言葉を超えた心のコミュニケーションです。小さな正方形に込められた思いが、この世界の誰かにつながっていく、その橋渡しができたらと思っています。
出品作家
伊藤未央 ITO Mio
伊藤幸久 ITO Yukihisa
江口綾音 EGUCHI Ayane
遠藤誠明 ENDO Tomoaki
大泉佳広 OHIZUMI Yoshihiro
大西佑治 OHNISHI Yuji
岡田朋子 OKADA Tomoko
樫尾聡美 KASHIO Satomi
菊谷達史 KIKUYA Satoshi
北本真隆 KITAMOTO Masataka
河野迪夫 KONO Michio
小林寛人 KOBAYASHI Hiroto
コフネコトモ子 KofunekoTomoko
近藤恵介 KONDO Keisuke
阪井ひとみ SAKAI Hitomi
澤田有季 SAWADA Yu-ki
庄野文平 SHONO Bunpei
鈴木良平 SUZUKI Ryouhei
高岡栄司 TAKAOKA Eishi
高田裕大 TAKATA Yudai
武田雄介 TAKEDA Yusuke
中谷未来 NAKATANI Miki
西康友 NISHI Yasutomo
西佑子 NISHI Yuko
長谷川清 HASEGAWA Kiyoshi
林亜耶子 HAYASHI Ayako
平松ちなみ HIRAMATSU Chinami
藤原絵里佳 FUJIWARA Erika
廣瀬陽子 HIROSE Yoko
松永敏秀 MATSUNAGA Toshihide
明円光 MYOEN Hikaru
村住知也 MURAZUMI Tomoya
山崎夏美 YAMAZAKI Natsumi
山室淳平 YAMAMURO Jumpei
吉川菜津乃 YOSHIKAWA Natsuno
脇谷内里絵 WAKIYACHI Rie
山塙菜未 YAMABANA Nami
石川達紘 ISHIKAWA Tatsuhiro
