“The Storyteller”について
今回に限らず、私の作品のベースとなっているのは幼い頃から見聞きしている物語です。子どもの頃は本が好きで、学校の図書室や玉川図書館で借りたり、家にたくさん本がある友達の家に入り浸って生協のお菓子をかじりながら、むさぼり読んだりしておりました。今はあんまり本を読まないので、脳がその頃からあまり成長していないかもしれません。
現在、私の頭の中にあるそんな物語たちは、年月がずいぶん経っているので、話がいろいろ混ざったり、作り直されていたりで、おかしなことになっているものもあるでしょう。覚えている場面の断片を継ぎ合わせたり、実際見たものや聞いたものなんかをリミックスしたりした結果、作品がこんなのになっちゃうんじゃないかしら…。頭の中にいるそれらを捕まえて3次元に引きずり出したのが私の作品です。
だから、ライバルは子ども。彼らはマイワールドでいろんなものを相手にしているので、作品を怖がったり喜んだりすると「勝った」と思う。
作っている間は呪文のように出来上がりの理想の形を心の中で唱えながらやっています。お尻なでながら「プリプリにな~れ」とかね。口では絶対言いませんけどね。大人だからね。
長原めぐみ