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コフネコトモ子個展
ーいろかざりー
2008年10月25日(sat)ー11月3日(mon)
13:00ー19:00 会期中無休
コフネコトモ子
KOFUNEKOTOMOKO

 コフネコトモ子の作品に現れるこの無限の色の組み合わせを、言葉で表現することができるだろうか・・・。
 点となり、線となり、互いに混ざり合い、ぶつかり合い、そして孤立しながら画面を彩る無数の色たちは、ある時は人の姿を形づくり、またある時は抽象的な表現へと展開する。その色によって織りなされる装飾は、エネルギッシュで、快活で、見る者に心地よい強烈さを与える。この“色の絡み合いによる装飾”という表現の源となっているものとは何なのか。
 アフリカの民族が行うボディー・ペイントのように、人間が“身体を装い飾る”という行為、そしてそこに現れる野性的で力強い色彩表現は、彼女に、海の色、空の色、果実の色、夕日の色、大地の色などの、自然界に潜む美しい色の数々を連想させる。またその色をまとうことで、より強く自然との一体感を感じた状態で自己の内面を放出したいという、人間の本能的な欲求を彼女に抱かせ、創作の原点となっているのである。
 近年コフネコトモ子が足を踏み入れた表現が、アフリカン・ダンスから着想を得たパフォーマンスである。動きの一つ一つが自然と深い関わりをもつこのダンスを、身体に染み込ませ、放出することによって、彼女は人間のもつ表現能力の多様性を見せてくれると共に、より自然を身近に感じとろうとする。さらに、ボディ・ペイントを施すことで悪魔よけとして身を守る民族のように、彼女もまたダンスを舞う自らの身体に、自らが描いた絵を貼りめぐらす。激しく踊りくるう身体と共に、ゆらめき動く身体装飾は、強烈なインパクトを伴って見る者を圧倒する。
 今回のコフネコトモ子展は、新たな表現を開拓しだした彼女が“色”を使うことによって自らを放出した、まさに“イロカザリ展”である。

                                 山塙菜未
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