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造形家5人の表現
池上奨 扇田克也 林泰史 村田佳彦 山本健史
2008年5月16日(fri)ー6月15日(sun)
13:00ー19:00 木曜休館
「造形」に着目した美術家5人による企画展を致します。
それぞれの素材と向き合い、精神性の追求を存在させる作業を
継続してきた5人の空間の創造をご覧いただければと思います。
池上 奨 IKEGAMI Susumu
彫刻家、金沢星稜大学教授
公共的なモニュメントや室内空間のオブジェなどを数多く
制作。社会とのつながりを意識下においた池上の表現は、
常にその空間との関連を「あたりまえ」にしてしまう。
大理石などの原石をいったん切り分けてから再び組み合
わせ、つなぎ合わせていくことにより、ねじれた形や
ループ状の形を作り出す。
「Another vision」は、より繊細な連なりにより作り上げ
られる緩やかな曲面、研磨する作業と自然の断面を
ほどよく使い分ける。
扇田 克也 OHGITA Katsuya
造形家
キャストによるガラスのかたまりの立体を中心に制作。
素材を焼成し、キャストすることで現れる表面の質感と
透明なガラスのかたまりに滞留する光との重奏。
この内包された光が、この宇宙にあるエネルギーの象徴
であるかのような感覚。
そのイメージを存在化させる作業がこの造形を生む。
ガラスと金属素材との組み合わせや、さらに最近では
色彩にも着目し油彩によるペイントを試みたり、
新たな可能性を常に追求し続ける。
林 泰史 HAYASHI Yasushi
鋳金、立体造形家、金沢美術工芸大学講師
アルミニウムを鋳造したシャープなラインが特徴的な立体造形。
形と形を結ぶテンションがかかっているかのような面の表現が
構築性をもった建築的な造形を確立する。
鋳造の仕事は、原型を作り、そこから鋳型を形成し
そこに溶かした金属を流し込む。
それからひたすら「仕上げ」の作業に入る。
この一分の狂いもない直線も、手仕事に依るところとなり
この徹底した技術は林ならではのものである。
山本 健史 YAMAMOTO Takeshi
陶造形家、金沢美術工芸大学准教授
最初に原型を作り、そこから石膏型をとる。
そして藁や籾殻などを混ぜ込んだ土で成形し
高温の中をくぐる。
そのプロセスの中で常に試行錯誤を繰り返し
思考は手を伝わり作品に投影される。
土の質と相。
「土」という素材の持つ、その質感とその状態
すなわち感性や精神性という内から出ずるものと
表象との関連性。
村田 佳彦 MURATA Yoshihiko
漆芸作家
常に村田の仕事は目を離せない。彼自身の持つどこまでも
柔軟な部分と、決して妥協のない仕事から出来上がる作品は、
若手ながら一目置くところとなる。
今回の作品「かげぼうし」シリーズは、幼い頃から村田が
記憶してきた生物のカタチを象徴化し造形化したもの。
そしてまたもや驚かされたのは、彼の専門である漆を
今回は使わないと決めたことである。
素地の楓の木目の美しさに、この作品を完結させたこと。