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小曽川瑠那個展
Runa KOSOGAWA solo exhibition
2015.10.03(sat)- 25(sun)
12:00-18:00 木曜休館

作家在廊日 / 3(土) 4(日) 25(日)
 愛知県出身。現在、岐阜県高山市にある工房で作品制作をしている。ガラスに興味を持ったのは高校生のとき。近所に住んでいたステンドグラス作家からヴェネチアン・グラスのDVDを借りた事がきっかけだった。その後大学時代に、初めてガラスに触れることとなる。
 本展出品作である《溜まってゆく闇夜》は高温のガスバーナーを使用して、成形した後にカット研磨機で穴や線の一本一本を入れていくという、非常に細かい作業を繰り返して制作されている。
 小曽川の代表作は富山ガラス造形研究所研究科に在籍していた最後の年に作り始めた花弁の作品である。1枚の花びらをガラスで繊細に表現している作品で、無色透明なものから、花々の自然な色合いが施されているものもある。日常に舞う「言葉」を大切にしていた小曽川は自身が大切だと思う言葉を書き留めて、それに合う花言葉を探し、その花を表現するというスタイルをとってきた。
 本展ではこれまでの作品にはあまり見られなかった「黒」を基調とした花々を展示する。
これらの作品群は今夏、黒部市美術館(富山県)の企画展「北陸新幹線開業記念 恋スル工芸展」において初めて大々的に公開された。
「黒は人間の欲や悲しさ、真実が見えない様子を表す」と小曽川はいう。命の尊さに視点を置き「一つの命の価値を問う」という事をコンセプトに制作された花々は、バラやトルコキキョウ、ユリ、キクを中心に、鎮魂の意味を持つものが選ばれた。
 全体的に黒く表現されている中で、ガラスの透き通る美しさと、所々に見られる自然に出来たかのような小さな穴や細やかな線の表現がより作品に繊細で儚い印象を与える。どこか胸を締め付けられるような印象を受ける作品からは、悲しみや苦しみだけでなく、他者の傷みを我がもののように捉えようとする人間の本質的な慈愛の感情が垣間みられる。
            黒部市美術館 樋口真理子
小曽川瑠那
Runa KOSOGAWA

1978 愛知県生まれ
2002 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業
2008 富山ガラス造形研究所研究科修了
2011 金沢卯辰山工芸工房技術研修者修了
-selected exhibitions
2015 恋スル工芸展(黒部市美術館)
2014 美の予感展
     (高島屋美術画廊 /東京・新宿・名古屋・京都・大阪)
2013 小曽川瑠那 × 山田輝雄 展(瀬戸市新世紀工芸館,愛知)
2013 個展 / ギャラリー点(2010)
2013 個展 / 日本橋高島屋アートアベニュー
2011 個展(KEIKO Gallery, U.S.A)
2010 第1回金沢世界工芸トリエンナーレ
    (金沢21世紀美術館・リファーレ)