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寺脇扶美個展
Fumi TERAWAKI solo exhibition
2015.10.03(sat)- 25(sun)
12:00-18:00 木曜休館

作家在廊日 / 3(土) 17(土))
crystal

水晶を見た時、美しいと感じ、手に取りました。一部には虹色の輝きを宿し描かずにはいられない衝動にかられました。
人は何かを見た時、それぞれに異なった感情や考えを抱き、無意識に分節し、意味を見出しています。例えば日本で虹は一般的に7色とされていますが、「7色よりたくさん色がある」や「5色しか見えない」のように感じたことはないでしょうか。これは人によって7色と認識する人もいれば、5色と認識する人もいるということです。そして虹を見て美しいと感じる人もいれば、恐ろしいと感じる人もいます。また吉、凶と意味付けをします。私はそのような個別的な感情や考えを「見出す力」に可能性を感じています。
crystalシリーズは、私自身の「見出す力」を探求した作品です。美しい水晶を見た感動を一旦絵にした上で、工程ごとに再構成を繰り返しました。写生によって感じられる手応えや得られる結果を、完成された貴重なものを、敢えて崩していく。一方で工程に水晶を見たときの感動を結晶化するように、また一方で規則正しく配列された結晶を分解するように。そうすることで、今までとは異なった新しい視点や新鮮な出会いを獲得しようとしたのです。
見えたものを多角的に捉えて分節し、意味を見出し構築する。そしてまた捉え直し、構築する。その繰り返しをする一人一人の行為にこそ、先入観や既成概念に捉われずに新しいステージへ進んでいく力が潜んでいるのではないでしょうか。この作品はそのひとつの結晶であり、より良い世界への私の希望が込められたものでもあるのです。
2015 寺脇扶美
寺脇扶美 
Fumi TERAWAKI

1980 愛知県生まれ
2007 金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科絵画専攻
    日本画コース 修了
-selected exhibitions
2015 2015 漂流飛翔, 白白庵, 東京
2013 2013 日韓現代アート交流展, HEIS GALLERY, 福岡
2013 個展come and go, gallery near, 京都
2012 せいかつのなかに, 同時代ギャラリー, 京都
2011 complrelation vol.4-カオスモスのさかなもぐら-,
    渋川市美術館市民ギャラリー, 群馬
2008 complrelation’08, マキイマサルファインアーツ, 東京
2006 complrelation-日常のカオスモス-, 金沢駅, 石川