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佐直麻里子個展 - 悠なる緑
SAJIKI MARIKO solo exhibition
2012.7.14(sat)- 29(sun)
12:00-19:00 木曜休館
佐直麻里子 
SAJIKI Mariko
佐直麻里子の作品は和紙を支持体に膠で溶いた岩彩で描かれる伝統的な「日本画」である。
何故日本画なのかと尋ねれば、それは純粋に岩絵具という素材に惹かれている事以上に理由は無いだろう。実際彼女の描く絵は油彩や水彩、アクリルでは表現しきれない独特の情緒が匂う。そして彼女の視線はきらびやかな花にではなく、それを形成する花弁や茎や葉。またそれと成る以前の蕾といった多くの人が見落とすものに向けられる。

「悠々とした空気に惹かれる。」と彼女は言った。
作品について説明を求め、おそらくやっとの思いで導いたであろうその抽象的な表現は成る可くしてそう成ったように思う。

澄んだ朝の心地良さ。夕闇に響く虫の声。静かな月夜の安心感。風にたゆたう草の音。
そういった魅力を言語化する事は極めて困難であり、もしかするとその必要さえも無いのかもしれない。
彼女の作品は誰の記憶にも存在するであろうこの様な「空気感」を呼び覚ましてくれる。
理由などいらない。最初に心に入り込むシンプルな部分、この若い感性にもう一度、立ち返ることを教えてもらう。