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2012.6.2(sat)- 24(sun)
12:00-19:00 木曜休館
下出和美の作品は、肉体の生きる次元から断絶するように徹底的に二次元だ。画面の柄になるほどに平らになった女の子たちが、原色で美しく切り出され、画面に配置されている。しかし、徹底的な抽象化ではない。私たちは切り出された形を見て、それがツインテールの女の子や雪だるまやもみの木だということがわかるのだ。それは、私たちが息をする空間にある、熱を持たない画像から学んだものだからだ。
現実の一部でありながら肉体の痛みを伴わない画像、その明るい画面に見え隠れする不気味な虚無感、それを下出はもう一度手で描き出す。画面の中の仮想現実をまた二次元に還元した絵の中の平たい女の子たちは、物語を紡いでいるようであり、ただ無作為に浮遊しているようでもある。ニュートラルで、イノセントで、どこか不穏な、この強い画面は下出の心象風景だ。そして、その絵は美しくなければならない、と下出は言う。私たちの痛みを伴う現実は美しいからである、と。彼女の絵の中の、つよい警戒色の対比、どこか混濁したかわいらしさ、閉塞感、そこにある負の暗示は、美しい警戒音を奏でて私たちをはっとさせ、魅了する。
nighttime awakening
1940×2606mm
2011
目撃者たち
1000 x 1000 mm
2011
In a wilderness
1620×1940mm
2011-2012
electric wave
910 x 727 cm
2011