「アート(美術)をより日常的で身近なものへ」という想いを伝えたい。その想いから5人は集まった。
そこで私たちは、自身が幼少時代に強く影響を受けた「ゲーム」をヒントにその用語から「弱パンチローキック」というグループ名にし、それをアート(美術)へと反映させた。
当時、数あるゲームの中でも格闘ゲームが私達に強い衝撃を与えたのだった。ボタンを押すことで繰り出される攻撃は、ただパンチ・キックを放つのではなく、弱パンチ哲学がそこにある。弱いが、放つスピードが早いのですぐに次の攻撃に移ることができ、相手にダメージを確実に与えることができる。ボクシングで言うジャブのようなものを繰り返すことで相手を揺さぶり、大技や必殺技に繋げるための軌跡を生み出すのである。そして、それらを駆使したゲーム内での相手との闘いは、私たちを夢中にさせた。その時からゲームは確実に「私たちの日常生活でより身近なもの」になったからである。
「弱パンチ・ローキック」をメンバーそれぞれの作品、又はメンバー自身と捉え、それらを一つの空間に提示することで、新たな連動性(コンビネーション・ゲーム用語でいうコンボ)が生まれると考える。そして、それはきっと第三者に味わった事のない衝撃を与える。
今回で5回目をむかえる本グループ展では、「パワースポット」をキーワードにメンバー5名の絵画や立体作品を展開する。
世の中にはパワースポットと呼ばれる場所がある。海や山、神社や教会、ピラミッドや古墳などの遺跡…そこは私たちに癒しや感動、衝撃やひらめき、想像力や活力など、あらゆるものを与えてくれる。しかし、そこで体感するエネルギーは、その場所でしか得られないものなのか…。もっと身近なものからでも感じることができるのではないだろうか。
そして私たち5人から生まれる作品も、近い感覚を呼び覚まさせることができるのではないか。
その考えをもとに「弱パンチローキック」の「パワースポット」を構築する。
さらなる連動性の可能性が増したこの展示は、あなたにどれだけの衝撃を与えることができるだろうか…。メンバーそれぞれの作品が放つ個性と個性の連動性(コンボ)によって、アート(美術)はさらなる可能性へと広がりを導く。
衝撃の連鎖からなるスーパーコンボの快感があなたの来場を待っている。
弱パンチローキック メンバー 一同