galleryten.net
copyright(c)2006-2009 gallery点 all rights riserved
松田明徳 個展
金属の形相
2009.5.08(fri)-20(wed)
12:00-19:00(最終日17:00)木曜休館

松田明徳
MATSUDA Akinori
松田の作品は時間の瞬間を感じさせてくれる。

圧縮されたことにより現れた形は、金属の意思と松田の意思の狭間で存在している。素材の表情や言い分を松田なりの若々しく素直な感性で汲み取り、瞬間を封じ込めることで美の均衡は保たれている。独特の技法により作品に施された色は、緋色(ひいろ)の赤、緑青(ろくしょう)の青、硫化(りゅうか)された銅の黒等である。そのいずれの表情にも、松田の意思が加わることで優しく心地よい生彩を放ち、観る者にその形態と相まって金属特有の豊かな時間さえも伝えてくれている。

今回が初個展であるが、学生時代より一貫して取り組んできた素材と表現と技術の関係に対する現時点での答えがここにあると言えるだろう。多くの方に御高覧いただけることを願う。

                金沢美術工芸大学准教授  原 智


緋色…銅と薬品が高温で反応し発現する鮮やかな赤色。
緑青…銅が酸化することで生成する青緑色の錆。
硫化…銅が硫黄成分と反応し生成される黒褐色。